日本の食品市場を中心に食品や食品関連技術を専門としたアドバイザリーコンサルタント 久保村 喜代子

 
クボムラーナ

Kubomura Food Advisory Consultants Japan Food Innovation 久保村食文化研究所

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食文化と食品添加物考

第二回 「海藻;寒天とカラギーナン」

食後に、オヤツに美味しいデザートは、いかが?
昨今の忙しい女性のため?それともお料理が大好きな男性のため?

食事情を反映してか、デパートへ行くと、沢山のデザート類が並んでいる。
特に流行はお歳暮、お中元のセットの中に沢山のデザート類が目立つ。機械でなく、手で果物のカットが芸術的に入っていて、一個につき、数十円から数百円と高いものまであるが、味わってみると、なんと素晴らしい風味がする事でしょう!
今では、ほんの少し前までの高級デザートがいとも簡単に手に入るのである。

 

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子供の頃、お江戸の甘辛、トコロテンとあん蜜は、特別な日に甘味処に食べに行った。
それも着飾ってお芝居の帰りや、上等な服を着た時だけにであった。それが、今は?

この寒天のテクスチャーに似た食べ物、更に欧米文化に影響された沢山のデザート類、どうなっているのだろうか。某社の宣伝になってしまうが、とにかく簡単なデザート、飽食の中でも一般消費者は、廉価に、そして、手作りを楽しんだデザートが欲しいのである。

例えば、コーヒームース、プリンミックス、デザート用のゼリーなど実に便利、ワン、ツー、スリーと準備して、ハイ、固めるだけでOK。製菓加工食品の中でも大変なシェアーである。

この中で、画期的なのが食品添加物・カラギーナン、直に述べてしまう。この海藻のお陰でどれだけ便利になった事だろうか。いや、これは、何だろう?これこそ、消費者が大嫌いのイメージの食品添加物で、これがないとこんなにデザート類は、特に加工食品になったデザートが増える筈がなかったかもしれない。

 

 

大体、食品の欧米との加工食品への判断評価の差異は、フレーバー(風味)、カラー(外観)、テクスチャー(食感)で認知できる。カラギーナンを調理して出来上がるテクスチャーは、日本古来の口に入った時の食感なり、口溶けや、口の中への広がりなど微妙に違っていて、日本に受け入れられなかった。それが、人知れず分からない内に利用され製品化された。。もしかしたら、このテクスチャーが似ていたのかも知れなかったが、知る由もない。

いち早く、食品メーカーの開発者は、カラーギーナンという海藻「日本では通称 ツノマタ」を食品添加物;増粘安定剤としてレシピー開発に利用された。廉価版、常温流通品、ミニフルーツゼリーの表示を見て欲しい。ゲル化剤・カラギーナンとなって加工食品の食品添加物として広く利用されている。消費者の嫌う食品添加物として、疑問に思う張本人だ。

不思議な事に、このカラギーナン、食品業界に従事している人なら、これが食品添加物になっているのを、当然であると思っている人が多い。しかし、寒天は、同じ紅藻類なのに、日本では食品、欧米では食品添加物になっている。何故だろうか?これこそ食文化の違いが原点にあるに違いないため、逆に問題にしないのか?もし仮に日本近海にカラギーナンが自生していたら、、ところてんや、あん蜜、羊羹の製造に利用される寒天が生まれていただろうか。世界中、それもフランス、モロッコ、アルゼンチン、チリ、ペルー、フィリピン、インドネシア、ブラジル、セネガル、日本などの近海の浅瀬に紅藻類は、至る所で自生している。海岸に行ったら、目にするそれだ。同じ紅藻類、何が違うのだろうか?“ところ変われば品変わる。人も変われば皆違う。当たり前が当たり前でないのが食生活だ。”この紅藻類だって、食べる時、その場所、人が影響して、食べ方、味わい方も変わってしまった。

寒い欧州の地でこのカラギーナンを煮溶かしてミルクを固めてプリンのようにして食されてきた。

 

()Tofu Pudding Asian sweets

 

最近のヒットに焼きプリンがあるけど、なんでヒット商品になったかご存知だろうか?
通称プリン・本当のプーディングってどんな食べ物だったのだろうか?
欧米の料理の本には、小麦粉・米粒・パンなどに牛乳・果実・卵などの色々な材料を混合したり、蒸したり、湯銭にしたり、焼いたり、煮たりしたものを各種のソースを掛けて供する物と記されている。このプリンは、食品メーカーが開発する過程で、どのように変化していったのだろうか?

現在のプリンは、粉末原料(カラギーナンや)例えば、卵・粉乳・砂糖・スターチ・ゲル化剤・バニラやココアパウダーなどの粉末ミックスを完全分散・溶解して、加熱処理(殺菌)の後、容器にホットパックして、カバーリングソースを加えて、冷却したものがほとんどである。実に簡単、沢山のミルク系デザートがスーパーマーケットに並んだ。
なんとなく、日本人受けする手作り風でオーブンで、低い温度でじっくり焼き上げたプリンは、天にほんの少し焦げ風味のある甘い砂糖のカラメルソース、更に蕩けるような卵と牛乳でできたあの甘いものであったものであり、自然に欧米化の食生活と共に知られてきた。

それが、大量廉価版プリンの味気なさに飽きてきて、一見じっくり焼き上げたように、改良されネーミングされ、ヒットになった。
この紅藻類カラギーナンとは?別名アイリッシュモスというが、この名前はアイルランドのカラギーナン(Carragheen)という町の名前から由来しており、収穫は日本の天草(寒天の原材料)のように、春から秋にかけて、引き潮の時に、人手で行われていた。この地方の住民は、既に600年以上も前から、このアイリッシュモスを食品や薬に使ってきたが、この海藻は牛乳をゼリー化する特性を利用していたのである。

同じように、フランスの沿岸、ノルマンテー、特にブルターニュ地方でも海藻は、天日に干され、コックさん達は、何百年も前から、牛乳の中に加熱溶解して、プーディングに似たミルクゼリー状にして食べていた。当然、世界中、同じような紅藻類があるのだが、このカラギーナンのポリマーが、ミルクの蛋白質と独特の方法で結びつくので、欧米の食文化のミルクを母体とする食品によって、最も効果的な安定剤となった訳で、食品加工の為、工業的抽出され、利用されるようになった。

現在では、このこうした紅藻類で、分析が進歩するにつれ、幾つもの種類があることが知られている。通称ハイドロコロイドゲルは、それぞれの成分の比率や、海藻の種類だけでなく、採取された場所や季節にも変わってくる事が明らかになってきているのである。では、食品工業的に生産する時に使用されるから、食品添加物なのだろうか?現在、日本では、最もポピュラーな食文化の中の寒天は、技術と共に、この通称カラギーナンと同じ紅藻類でその別なテクスチャー特製を生かしつつ、工業用寒天が生産され、使用されているのである。

大昔から、親しんだ寒天とは異なるテクスチャーなのに便利な、なんとなく似通ったテクスチャーが、日本に受け入れられて、カナギーナン入りの沢山の商品が生まれたのである。棒寒天を使って、美しいプリンも可能だ。技術の産物、工業用寒天は、やはり食品添加物なのだろうか?

因みにもっと日本には、沢山の紅藻類の加工品があるが、ご存じだろうか?昔住んだことのある北九州で、私は、毎日のようにお江戸の寒天好きから、便通、若さ・美しさ?を保つ為、「浮太」(おきゅうと)を食べた。博多の郷土料理で細長く切って、削り鰹、生姜醤油、酢醤油、酢味噌で食べたら、仄かな磯の香りと抜群の風味だ。他には、「海藻こんにゃく」「黒羊羹」の原料・琴柱角股(ことじつのまた)など日本全国、海藻類とその加工品が沢山ある。お試しになってはいかが?

 

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